テスト

第28回日本病院総合診療医学会総会に参加しました

2024年3月29、30日、第28回日本病院総合診療医学会総会で当院の先生達が講演しましたので、後日先生達に講演の内容をまとめてもらいました。
■吉永亮先生
「総合診療で役立つ!!
機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群に対する漢方治療 〜消化器内科医・漢方医の視点から〜」
■鍋島茂樹先生
「痛みの診療と治療 〜西洋医学と東洋医学を上手に使おう〜」

機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群に対する漢方治療 〜消化器内科医・漢方医の視点から〜

機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群に対する漢方治療を中心に解説する。
むかむかする、胃がもたれる、お腹が痛いなどの消化器症状を訴えるものの、内視鏡検査などでは異常を認めない患者は多い。さらに検査に異常がないだけでなく、標準的治療を行っても改善せず医師も困ってしまう、ドクターショッピングを繰り返すなどといったケースにもしばしば遭遇する。機能性消化管疾患の代表である機能性胃腸症や過敏性腸症候群に対して、「検査では異常がないからうちの科ではありません」、「心の問題だから心療内科や精神科を紹介します」というのではなく、総合診療医として、患者の病いに寄り添いながら、継続してサポートしていく姿勢が重要とされる。そのような状況において、漢方治療があることは、医師にとっても、患者さんにとっても「救い」となりうる。
今日では食欲不振や上部消化器症状に六君子湯、消化管術後の腸閉塞の予防や便秘に大建中湯とエビデンスの蓄積やガイドラインでの推奨もあって広く普及しているが、それ以外にもいくつもの漢方薬が準備されている。元来、漢方では「胃腸の働きを重視する」という特徴があり、消化管の働きを第一に考えて治療を行う。また中国最古の医学書と呼ばれる「黄帝内経」には「消化機能が低下した患者では、さまざまな消化器系の不調だけでなく、心を含めた全身的な不調和を併発しやすい」という内容も記載されており、消化器症状のみだけでなく、心身のアンバランスを含めた全人的な視点からの治療が可能になる。

痛みの診療と治療 〜西洋医学と東洋医学を上手に使おう〜

痛みは誰でも経験するありふれた症状ですが、痛みの原因を正確に診断することは意外と難しいと思います。本講演では、主としてドクターを相手に、痛みの原因をどのように探っていくのか、痛みの薬物治療にはどのようなものがあるか、などを解説しました。
痛みの薬物治療には、様々な薬が使われます。急性痛の場合はほとんどが炎症による痛みですので、非ステロイド性鎮痛薬(NSAIDs)が主体となります。臨床上問題となるのは慢性痛ですが、炎症がないか、軽い場合が多いので、NSAIDsはあまり効きません。痛み神経の伝導をおさえるチャネル・ブロッカーや中枢神経に作用するオピオイド、抗うつ剤などとともに、漢方薬も効果があります。漢方薬には不安や心配をとると同時に、痛み神経や脳の痛み感受性を下げて、痛みをやわらげる薬がいくつかありますので、それを単独または組み合わせて使います。また西洋薬と一緒に使うこともあります。
痛みの診療で大切なのは、できるだけ痛みの原因を診断し、西洋薬、漢方薬の区別なく、適切な薬を使うことです。また、患者さん側としては、悩めば悩むほど、必ず痛みは強くなりますので、ストレスをとり、心身ともにリラックスを心がけることが大切です。